コラム

【受験者必見】社労士試験の勉強方法を現役社労士に聞いてみた Vol.4

社労士合格を目指す受験者の皆さん、勉強方法に悩むことはありませんか?この記事では、鹿児島県鹿児島市の「社会保険労務士法人サフィール」児玉先生の体験談をもとに、社労士試験の勉強方法をお伝えします。実際にどのくらいの勉強期間を要したのか、また、どのように勉強時間を確保したのか、試験期間の心境も併せてご紹介します。

資格取得時期

── 社労士資格はいつ頃取得されましたか?

児玉先生: 2012年の第44回社会保険労務士試験で合格しました。この時は2回目の受験でしたが、前年の2011年は、選択式で1点足らずで不合格でした。

勉強時間と勉強方法

── 受験1回目と2回目でそれぞれの勉強時間はどのくらいでしたか?

児玉先生: 勉強時間は正確に覚えていませんが、それぞれ1年ほど勉強しました。勉強時間というよりも、合格するためには何をどれだけ消化するべきかという「量」を考えていました。

── どんな勉強方法を取り入れていましたか?

児玉先生:社労士事務所に勤めていたこともあり、基本的なところは業務の中で覚えることができました。そのため、基礎は独学でしたが、演習問題と模擬試験はLEC・TAC・大栄・鹿児島SRの試験対策講座を単発で受けていました。こうした単発の模擬試験の他、答練(答案練習会)の5年分を3回解いて、間違った箇所をすべてノートに写して記憶していくようにもしていました。

思い返してみると、1回目と2回目の受験で違うと感じたこととして、1回目は、まだ少しやり残した気持ちが残っていましたが、2回目は、もうこれ以上やることがないという自信が持てていました。鹿児島県内で受けられる答練や模試はすべて受けきって、あとは新幹線で大阪まで受けに行ったこともありました。これ以上自分では対策できないと思えるように、想定できるものは全部やり切りました。

また、これは人によると思いますが、過去問に出ていない問題も必ず出題されるので、過去問を何度も解くよりかは、確立を高めるために手あたり次第、模擬試験を受けていました。特に、一般常識は過去問で拾えなかったりもするので、予想問題は効果がありました。

── 勉強時間はどのように確保していましたか?

児玉先生:主に就業後と休日に確保していましたが、「食べる」「寝る」「仕事」以外の時間はすべて勉強時間にあてていました。机で勉強していない時間、例えば、移動時間や身支度する時間にも、CDを聴いて覚えるようにしていました。また、昼休みの時間や、外出先の待ち時間など、隙間時間を無駄にしないようにもしていました。

── 1番苦労した科目などはありますか?

児玉先生:年金です。得意なところで点を取って、苦手なところは落とさないようにするのは試験の鉄板かと思いますが、年金科目はみんな嫌いなイメージです(笑)。

── その科目はどのように克服しましたか?

児玉先生:年金は型があって、覚えられれば点数が取れるようになりますが、とにかく量を覚えるのみなのでこれが大変でした。

また、労基法や雇用保険は身近なため興味があるものの、イレギュラーな問題が出て意外と点が伸びないこともありました。これも、模擬試験など想定できる対策は全部やり切りることで克服していました。

心構え

── 試験期間の心境やエピソードがあれば教えてください。

児玉先生: 1回目の受験は2011年だったので、東日本大震災が起きた年でした。震災の翌日、九州では2011年3月12日に九州新幹線全線開通の出発式や祝賀会など、たくさんのイベントが予定されていたのですが、これらすべてが中止になりました。

その代わり、JR九州が作成していたCMがYouTubeでも見れるようになっていて、この動画は、九州新幹線を走る沿線で、みんなが手を振ったり、仮装したりして、元気をもらえる素敵なものでした。新幹線に乗るときは、その動画と同じ景色を見ながら、「色んな苦労をした人、大変な思いをした人、そして今ここで無事に試験を受けられる私」を連想して、まずは、「社労士試験を受けられる環境に感謝しよう」という気持ちで1回目と2回目の試験に臨んでいました。今でも、鹿児島発の新幹線に乗るときは必ず左側の席に座っています。

あとは、やり切ったと思えるほど自分に自信が持てるようにしていました。

── 社労士試験の受験者に向けてアドバイスをお願いします。

児玉先生:社労士試験は時間も体力も必要になるので、そもそも、自分が本当にこの勉強をしたいと思えているか、この仕事が好きなのかどうかが大切です。好きなことに対する勉強じゃないと中々身につかないため、自分に向いているか向いていないかも考えることも必要かと思います。

また、私の場合、社労士資格を取ることで、やりたい仕事や働き方が実現できて人生が変わりました。男性だから、女性だから、というのは一切関係なく、自分の可能性を広げられる意味でも社労士って良い仕事だと思っています。もちろん苦労することはたくさんありますが、これから皆さんが頑張って資格取得されて、私も新しい社労士さんとお話ができれば良いなと思っています。

社労士物語

社労士物語では、児玉里美さんが社労士を目指したきっかけや、「社会保険労務士法人サフィール」を開業するまでの経緯、事務所の「強み」や大切にしている「想い」なども知ることができます。社労士になった後の姿も確認してみましょう。

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労務の灯台 編集部

ハタラクデザイン合同会社が運営するWebメディア「労務の灯台」編集部。様々な角度から社労士の関連情報をお届けすることで、自社の価値観に合った社労士を見つけてもらいたいと奮闘中。

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