「Z世代の新入社員が、すぐに辞めてしまう」こうした課題に直面している企業が近年増加しています。この背景には、Z世代ならではの価値観と、企業側の対応とのミスマッチがあります。例えば、これまで常識とされてきた「我慢して働く」「上司の背中を見て学ぶ」といった考え方は、Z世代には通用しにくい場合があります。その結果、働く意欲を失い、入社後すぐに離職してしまうケースも少なくありません。では、Z世代が定着するために、企業にはどのような対応が求められるのでしょうか。本記事では、Z世代の特徴を踏まえた定着のポイントと、企業を支援できる社労士の役割について、分かりやすく解説します。
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Z世代とは、1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代のことです。生まれた時からインターネットやSNSが生活に浸透しており、デジタルとの親和性が非常に高いことから、デジタルネイティブとも呼ばれています。
また、以下のような価値観を持つ傾向にあります。
自己表現や自分らしさを重視する
安定した働き方や職場の快適さを求める
成長実感や社会的意義のある仕事に魅力を感じる
年功序列よりもフラットな関係性を好む
時間や労力に対する成果を合理的に評価する傾向がある
こうした価値観を理解せず、従来通りの対応を続けていては、Z世代のモチベーションの低下や早期離職を招くリスクが高まります。
Z世代に対応するマネジメントは、精神論や経験値に頼ったものではなく、論理的な仕組みと継続的な運用が求められます。ここでは、Z世代の定着に必要な3つのポイントを紹介します。
Z世代の定着には、「意見を言いやすい」「話を聞いてもらえる」といった職場環境の整備が必要です。
チームミーティングや個別面談、チャットなどの声かけを定期的に設け、双方の対話を促進することで、安心して業務に取り組むことができます。上司や先輩が積極的に声をかける文化をつくることで、Z世代の定着率向上が期待できます。
感情的な安心感だけでなく、仕組みとしての安心感もZ世代の定着には必要です。例えば、メンター制度、オンボーディングプログラム、ハラスメント対策などの制度をつくり、「何があっても安心」と思える環境を整備することで、Z世代の離職防止に繋げることができます。
Z世代は「この仕事は何のためにあるのか」「自分はどう貢献しているのか」に強い関心を持つ傾向にあります。また、企業側の評価や指導は、半年や1年単位のスパンでは不十分です。日常的に進捗を確認し、小さな成果や努力をこまめにフィードバックすることで、自己成長を実感できるようになります。
そのため、Z世代に業務の背景や目的を共有し、成果と過程も含めたフィードバックを継続的に行うことで、納得感をもって働けるようになり、モチベーションの向上が図れます。
Z世代に合った制度や職場づくりを進めるには、ここまで解説してきたような取り組みが必要です。しかし、それらすべてを社内リソースだけで実現するのは難しいケースが多いでしょう。
そこで有効なのが、人事労務に精通し、客観的な視点を持つ外部パートナーの力を借りることです。中でも「定着支援に強い社労士」に依頼することで、企業ごとの実態に応じた、実践的かつ柔軟なサポートを受けることができます。ここからは、Z世代の定着に向けて社労士が提供できるサポート内容を3つ紹介します。
社労士は、Z世代に合った「対話ベースの職場環境」を制度で支えるために、報連相のルールや個別面談の運用指針などを社内マニュアルや就業規則に反映させることができます。これにより、一時的な施策ではなく、組織に根づく仕組みとして機能するようになります。
メンター制度やオンボーディングプログラム、ハラスメント対策などの制度を、企業の実情に応じて導入・再設計することが可能です。さらに、制度を形だけで終わらせず、社内への周知や実際の運用、社労士と連携した相談体制の整備まで一貫してサポートすることで、Z世代が「困ったときは相談できる」と実感できる職場づくりが実現します。
Z世代の価値観を踏まえて人事評価制度や目標管理シートを作成・見直しすることで、成果だけでなく、成長過程も適切に評価できる仕組みを整えることができます。
また、制度設計を社労士に依頼することで、Z世代に寄り添いつつも、企業の実情や業務内容に合った柔軟な制度づくりが可能です。Z世代と企業、双方の優先事項のバランスをとりながら、働きがいのある職場環境を築き、定着率の向上にも繋げることができるでしょう。
Z世代の定着には個別対応だけでなく、価値観の違いを埋めるために、制度の裏付けも求められます。そこで効果的なのが、定着支援に強い社労士に依頼することです。企業の実情やZ世代の特性を踏まえ、「対話」「安心」「納得」を軸に、人材定着の仕組みづくりと継続的な運用サポートが期待できます。
「Z世代がすぐ辞めてしまう」「Z世代の定着率を高めたい」と感じたときは、定着支援に強い社労士に相談してみてはいかがでしょうか。
労務の灯台 編集部
ハタラクデザイン合同会社が運営するWebメディア「労務の灯台」編集部。様々な角度から社労士の関連情報をお届けすることで、自社の価値観に合った社労士を見つけてもらいたいと奮闘中。