コラム

【受験者必見】社労士試験の勉強方法を現役社労士に聞いてみた Vol.1

社労士合格を目指す受験者の皆さん、勉強方法に悩むことはありませんか?この記事では、広島県福山市の「あかつき社会保険労務士法人」三谷先生の体験談をもとに、社労士試験の勉強方法をお伝えします。実際にどのくらいの勉強時間を費やしたのか、また、大手造船・海運会社に勤めながらどのように勉強時間を確保したのか、試験当日のエピソードと併せてご紹介します。

資格取得時期

── 社労士資格はいつ頃取得されましたか?

三谷先生:25歳の時に2回目の受験で合格しました。合格したのは第42回社会保険労務士試験だったのを覚えています。1回目は24歳の時に1点足らずで不合格でした。

勉強時間と勉強方法

── 受験1回目と2回目でそれぞれの勉強時間はどのくらいでしたか?

三谷先生:社労士試験の合格に必要な勉強時間を調べると大体800~1000時間とあったので、1回目は800時間勉強しました。2回目は500時間くらいでした。

── 勉強時間はどのように確保していましたか?

三谷先生:当時勤めていた大手造船・海運会社は2.3年に一度のペースで異動があり、1回目の受験は、配属最後の年だったため、仕事も慣れていて時間は確保しやすかったです。勉強時間は800時間を目標にしていたので、10月から約10か月間、予備校(TAC)込みで週に20時間くらい勉強していました。

2回目の受験は、配属直後だったため仕事もバタバタしていて、1回目同様に10月からTACに通っていましたが、ほとんど形だけになり、実際に集中して勉強したのは5月のGW明けからでした。そこからは完全に独学で、平日は朝1時間・夜3時間、土日は10時間ずつで週40時間は勉強していました。

ちなみに、GW明けからスイッチを切り替えて勉強することは決めていたので、GW中はしっかり友人と遊びに出かけていました(笑)。

── どんな勉強方法を取り入れていましたか?

三谷先生:青ペンを使っていました。青色は気持ちを落ち着かせたり、集中力を高めたりする効果があると言われているため、暗記が多い社労士試験の勉強に向いていました。

青ペンで書いた後は、正誤チェックのみ赤ペンを使い、すべて〇になるまで勉強していました。

他にも、Excelで勉強時間の合計と試験までの残日数がどれくらいか分かるように記録していました。勉強時間の記録は、試験当日の自信にも繋がると思います。

過去問は10年分を解いていたのですが、この時のポイントとして、異なる年度の同じ科目ごとに受けるのではなく、問題全部を解ききることを意識していました。これで、試験本番での集中力を鍛えていました。解き終わった後は、全問正解したところはやらずに、間違えた箇所をリストにして復習できるようにしていました。

── 1番苦労した科目などはありますか?

三谷先生:年金関係です。性別や年代ごとに内容が異なったり、単純に覚える量が多いです。労働基準法のように身近に感じることができる内容は個人的にイメージしやすくて好きな科目でしたが、年金関係は自分が年金受給者ではないので、中々イメージすることもできず苦労しました。

── その科目はどのように克服しましたか?

三谷先生:先程の勉強方法もそうですが、過去問を解くことが効果的だったと思います。また、克服ではないのですが、正直なところ運も少しあります。というのも科目ごとの合格基準は毎年変更するため、ある程度自分の得意不得意の箇所との関係で結果が変わることもあるからです。だからこそ、運を味方につけるためにも最後までやれることはやるようにしていました。例えば、試験当日の休憩時間でも最終確認をすることで、ちょうどその時見ていた一般常識の問題が出たこともありました。

心構え

── 試験勉強期間の心境や試験当日のエピソードがあれば教えてください。

三谷先生:当時、TACの科目試験を受けると成績上位者は予備校内で発表されていました。1回目の勉強期間では、最初の頃は上位者として発表されていましたが、後半は点数が落ちて発表されなくなったので不安でした。ただ、結果は1点足らずで思ったよりも悪くはありませんでした。この時、あと一点だったらもう一度挑戦すれば必ず合格できる、とポジティブに考えていました。

2回目の勉強期間、GW明けから試験当日までは、一切遊ばず3か月間追い込みです。本来であれば25歳の楽しい時期の3か月間なのに、勉強が苦痛で発狂していました(笑)。それでもやり切れたのは、社労士資格を取得しようと決めた時のことを思い出せたからです。職場には有名大学出身の人も多かったため、どうにかして会社の評価に代わる資格を取って自信を付けたいと考えていました。こういったハングリー精神や目標があったから最後までやれましたが、1回目の勉強期間では、この目標が目的化してしまい、勉強を800時間したことで満足し、結果もついてこなかったように感じています。

試験当日のエピソードとしては、すべての問題を解き終わるとすぐに試験会場から出ました。過去問を部分的にではなく、問題全部を解ききる練習をしていたので、本番でも時間に余裕を持って終わらせることができました。その時、会場を出たのも自分だけでした。早く会場を出たのは、試験後、GWに遊んだ友人と飲みに行く予定を入れていたのもあって、試験会場から最寄り駅までの道をルンルンで帰ったのを覚えています(笑)。

ちなみに、あかつき社会保険労務士法人でも社労士資格の取得を目指している方がいるのですが、問題用紙を持ち帰るという話をしていました。私はその時、試験終了時間まで着席していると問題用紙を持ち帰れるということを初めて知りました(笑)。試験から14年ぶりのことです(笑)。

── 社労士試験の受験者に向けてアドバイスをお願いします。

三谷先生:特に勉強を始めた1年目は言葉の意味していることを理解するのにも時間がかかると思います。例えば「初日」という言葉でも、どの時点のことを指しているのか分かりにくいかもしれません。それでも、勉強を続けていけば、どこかのタイミングで慣れて勉強効率も上がるはずです。まずはそこまで頑張ってください。

勉強は長期間になるのでモチベーションを保つことも大切です。私の場合は、最寄りの福山駅にあって利便性も良く、対面の環境で勉強したかったので、TACに通っていました。

また、社労士資格を取ると周囲の見る目は変わりますし、開業した場合、実務経験がなくても「先生」と呼ばれるようになります。自信がつくので、ぜひ、挑戦してみてください。

社労士物語

社労士物語では、三谷宜雄さんが社労士を目指したきっかけや、「あかつき社会保険労務士法人」を開業するまでの経緯、事務所の「強み」や大切にしている「想い」なども知ることができます。社労士になった後の姿も確認してみましょう。

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労務の灯台 編集部

ハタラクデザイン合同会社が運営するWebメディア「労務の灯台」編集部。様々な角度から社労士の関連情報をお届けすることで、自社の価値観に合った社労士を見つけてもらいたいと奮闘中。

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