社労士合格を目指す受験者の皆さん、勉強方法に悩むことはありませんか?この記事では、京都府長岡京市の「ゆあさ社労士事務所」湯浅先生の体験談をもとに、社労士試験の勉強方法をお伝えします。実際にどのくらいの勉強時間を費やしたのか、また、苦労した科目はどのように克服したのか、受験者に向けたアドバイスと併せてご紹介します。
── 社労士資格はいつ頃取得されましたか?
湯浅先生:26歳の時に2回目の受験で合格しました。1回目は20歳の頃、大学の在学中に受験しましたが、択一式が5点足らずで不合格でした。
── 受験1回目と2回目でそれぞれの勉強時間はどのくらいでしたか?
湯浅先生:1回目の勉強期間は約10か月間、予備校(LEC)に通い1日3〜4時間くらい勉強していました。
2回目の勉強期間は約5か月間、短期講座で9時〜17時まで集中的に勉強しました。この時は、社労士資格取得に全力で挑みたかったので、当時、勤めていた会社は退職しました。退職したからには、会社員が働いている時間は必ず勉強しようと決めていたのを覚えています。
── どんな勉強方法を取り入れていましたか?
湯浅先生:もともと学生の頃から、選択式※1は得意でしたが、択一式※2は苦手というより、どこかモヤモヤした気持ちがありました。
※1選択式:語群の中から、問題文のカッコに入る正解1つを選ぶ形式(穴埋め問題)
※2択一式:5つの選択肢の中から、正解1つを選ぶ形式
というのも択一式ではなく、仮に、「正誤の組み合わせとして適切なものを選べ」という形式であれば、5つの選択肢すべてを理解していないと解くことができません。しかし、択一式では、正解1つを選べばいいので、その時の問題を運よく正解すると、択一式ができるようになった気になってしまいます。
この錯覚をなくすために「一肢一肢の正誤理由が説明されている一問一答形式の問題集」を見つけ、それを解いていました。1肢を解いている間は、その1肢にフォーカスし、何にも甘えず正誤判定をするイメージです。少しでも不安があれば、テキストに戻るわけですが、5肢1問を解き終わってから確認するよりも、1肢ずつの方が確認しやすく、焦点がぶれなかったです。練習では1肢ずつシビアに詰めていたので、5肢1問の本試験形式となると、少し易しく感じるくらいでした。
後は、過去問を10年分用意して、迷わず正解できた問題は飛ばし、迷ったり不正解だった問題を優先的に何周も回す、という勉強をしていました。
── 1番苦労した科目などはありますか?
湯浅先生:労働安全衛生法は化学に関連する内容も含まれていたため、当時、覚えるのに苦労しました。
── その科目はどのように克服しましたか?
湯浅先生:先程の勉強方法と同じで、過去問を活用するのはもちろんですが、解くというより、本試験直前期には熟読に近づいていったように思います。解説ページを含め、問題集の誤植を見つけるくらい読み込んでいました。
また、社労士試験には足切りがあるため、苦手科目があると合格することは難しいです。そのため、全科目、必ず合格圏内に入れる必要があります。私は何かに没頭しているときが一番力を発揮するタイプたっだので、とにかく全科目合格圏内を超えることを目標に、この勉強方法に没頭しました。その結果、選択式は約8割、択一式は約9割の正答率でした。
── 試験勉強期間の心境やエピソードがあれば教えてください。
湯浅先生:もともと同じ職場に勤めていた同期が出世したり、ボーナスをもらっているのに対して、自分は毎日9時〜17時まで勉強しているのに給料が1円も出ていない。この差がどんどん開いていくような感覚、また、GW頃の模試結果が悪く、焦りを感じることはありました。ただ、絶望感まではなく、勉強方法に手応えがあったので、後は追い上げるだけだという気持ちでした。
── 社労士試験の受験者に向けてアドバイスをお願いします。
湯浅先生:悔いが残らないようにやって欲しいという気持ちが一番です。試験中は誰も助けてくれないので、自分が勉強してきたことに自信を持てるくらいに、悔いなく取り組んで欲しいです。最後まで気持ちが折れなければ、それが必ず結果に表れます。相対的な評価に惑わされることなく、「対自分」でベストを尽くしてください。
世の中には社労士がまだまだ足りていないように感じています。「働く職場がしんどい」とか「月曜日の朝仕事に行くのが嫌だ」といったものを、無くしていきたいという想いに理解がある社労士が増えて欲しいです。こういった想いのある社労士が増えて、社会全体の労務環境改善に繋がることを期待しています。
また、ゆあさ社労士事務所にも、社労士資格の取得を目指している方がいますが、できるだけ教育の機会や、夏に試験休暇のようなものを希望に応じて取得してもらうようにしたいと考えています。
社労士物語では、湯浅卓磨さんが社労士を目指したきっかけや、「ゆあさ社労士事務所」を開業するまでの経緯、事務所の「強み」や大切にしている「想い」なども知ることができます。社労士になった後の姿も確認してみましょう。
労務の灯台 編集部
ハタラクデザイン合同会社が運営するWebメディア「労務の灯台」編集部。様々な角度から社労士の関連情報をお届けすることで、自社の価値観に合った社労士を見つけてもらいたいと奮闘中。